金を払ってセックスできなかった話
3浪というニート期間(マジで勉強していなかった)を終え地方国立大学の学生になった俺は精神がだいぶハイになっていた。受験という重みがなくなった反動だろう。
この時二十歳。大学生になったが精神は男子高校生のままなので「彼女とか別に・・・女と何話したらいいかわからないし・・・」という状況だった。
しかしながら、彼女は別に欲しくないがセックスというものを一度経験してきた方がよいだろうと考えていた。実際にそういう状況になった時にまごつくよりかいいだろうしね!。
というわけで「このお金は貯金しておきます」親に取り上げられていたお年玉が返却されたので(本当に貯金されていた)、そのお金を握りしめてソープにいったのだった。
金を払ってセックスできなかった話
幸い?なことに大学があった市にはかつて有名だった繁華街があり、今でこそさびれているがソープが数件あった。吾輩、このあたりの下調べで入浴料とか総額のいみを学ぶ。緊張で震える声で予約の電話をする。先にいっとぇ仕舞うがこの時が一番心臓がバクバク言ってた。想像に反して応対したボーイ(おそらくそれなりの年)は丁寧な受け答えだった。
身なりを整えて家を出る。大学から数駅の電車に乗っている時間、自分がこれから風俗に気というのがバレないだろうか?という謎の緊張があった。
金を払ってセックスできなかった話
店の名前はもう覚えていない。
繁華街と言ったが表どおりはアケード街になっており様々な店が並んでいた。シャッターが下りている店が多かったのは気になった。
そこから一つ脇道に入るとソープが数件並んでいる裏通りになる。本当にソープしか店らしいものはないので、この脇道に入るときも人の目が気になってしまった。
表通りも元繁華街としては閑散としていたが裏通りは歩行者自体がいない。
ただ人影はある、ソープ店の前にじっと立っているスーツ姿のおじさんたちだ。
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のちに知った話だが条約で強引な客引きは禁止されているらしい。
予約を入れていた店に行くまでの間おじさんの前を通りすぎるとぼそっと「兄ちゃんソープどう?」と声をかけられた。めちゃくちゃビビった。
「いえ結構です」とソープに行くのにソープの客引きを断り歩くのはなにか滑稽に感じられた。
目的の店に入り予約してたものだと告げる。電話でも感じたが、イメージに反してボーイの男性はおじさんもしくはおじいちゃんと言って年齢で腰が低かった。若い人はさほど見られず「地方の高齢化がこんなとこにまで・・・」と思った。
金を払ってセックスできなかった話
さて、待合室で緊張しながら出された麦茶を飲みながら待つ。
「すげーおばさんとかデブが出てきたらどうしよう」「特に指定しなかったから誰も悪くねーけど、自分の表情や態度に変なとこでてしまわないだろうか?」という童貞特有の独りよがりの親切心みたいものが頭をグルグル回っていた。
結論から言うと少し年上に細身の美人というほどではないが結構好みの子が出てきた。
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さすがに顔を詳細に覚えていないのでキャラとかに例えるとかできないのだが、『割と好みだった』というのは覚えている。
待合室から嬢に手を握られながら階段を上る。吾輩親族以外の女性と手をつなぐ経験がほとんどなかったので腫れ物に触るような力がほとんど入らない握りかただった。
この時風俗初めてなんですよ、ということを伝えた(実際はセックス自体初めて)。嬢は笑いながら「そーなんですか。実は私も風俗で働くの新人なんですよ。初めて同士ですね。」といった。
今思うとセールストークうめぇなおい。
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この時確か90分で入った。ネットの「初心者は緊張するから余裕のある時間で入れ」という忠告に従たった結果だ。
一応ソープというか風俗に行ったことない人に説明すると、嬢とのトーク→前戯的なイチャイチャ→行為→トーク、みたいな流れがある。
実際時間に余裕あると向こうもトークだとをキチンとやってくれる(?)のでまあおすすめ。
金を払ってセックスできなかった話
向こうもサービス業なので緊張していても世間話的な物は美味く運べた。何話したかはよく覚えていない。「なぜこの仕事を?」という無遠慮うなことをきいてしまったのだけは今でも反省点だったりする。
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世間話も一段落したとこで、嬢の方から「じゃあ服脱いでお風呂入りましょうねー」と言われ手伝われながら服を脱ぐ。雑に脱いだ服を受けとって丁寧にたたまれつのを眺めるのはなんかよかった。
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というわけで服を脱いで浴室に入る。いったことある人ならわかると思うが、ソープ店の各部屋はベッドルームと浴室がシームレスにつながっている独特な作りになっている。あの間取りはちょっと面白い。
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んでんでんで、まあスケベ椅子に座ってると体を洗ってもらうわけです。無論息子の方も。
ネットで体験談をあさっているとこのあたりで多くの男の息子は戦闘体型に入るらしいのだが吾輩の方はウントもスントも言わない。
普通に体洗ってもらって気持ちいいなって感じだった。
金を払ってセックスできなかった話
だいたいオチは読めているが続ける。
このあと風呂に入ってうがいしては磨いて、嬢も一緒に浴槽に浸かってイチャイチャする。抱き着いてきて体を密着させたり「ちょっと腰浮かして」と言われるがままに淵に足をかけた間抜けなポーズになって咥えられたりした。
金を払ってセックスできなかった話
ソープだと洗体マッサージというのがあり、まあ体で体を洗ってもらうプレイがある(疲れるので嫌がる嬢もいるらしい)。
イメージできない人は各自AV観るか異種族レビュアーズ見て。
柔らかくて暖かいものが体に押し付けられぬるぬると這っていくのはそれだけで気持ちよかった。
なおこの時僕は「異性との肉体的接触がストレスの緩和になるというのは正しかったんだなー」とか考えてた。
金を払ってセックスできなかった話
まあここまでぐだぐだ語ってきたが、お分かりのように吾輩の分身はピクリともしない。エレクチオンしないのである。
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焦る。いや射精したいという肉体的欲求もそうだが、ここまで色々相手にやってもらっているのにまるで棒が反応しないの申し訳ねえ。
まあ焦って下腹部に力を込めてみたがピクリとしか動かない。
関係ないけど勃起してるとき下腹部に力込めるとチンチンが上下運動する動きななんか別の生き物みたいで自分の体なのに笑う。
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念のため言うと嬢はブスとかではなかったし色居rおしてもらったのは感覚として十分気持ちいいのだが、勃起しないわけである。
焦る理性とは裏腹に肉体の方は気持ちよくなってこのまま寝てもいいかな?みたい状態になっていた。
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さすがに向こうも疲れてきたのか「騎乗位苦手?アレだったらベット行く?」と言われる。
この時点で挿入といっていいのかわからないが入っていたわけですね。まあ勃起してねえから感覚がいまいちわからねえし感動もないわけだが。
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というわけで泡を流してもらって体をふいてもらう。「あっ、金持ちになったら服とか用意してくれる使用人雇いたいな」って思った。人に世話されるの思ったより気分がいい。
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というわけで、何がというわけでなのかわからないが生まれたままの姿で嬢とベッドで横になる。「初めてで緊張した立たなくなる人は結構いるって聞くしリラックスして」と優しくささやかれる。吾輩としては緊張というか困惑しているのだが・・・・。
金を払ってセックスできなかった話
「責めるほうが好き?」という感じで誘われて、寝そべった嬢の耳やらうなじやら肩やら臍やらおっぱいを舐める。あっ多分この時ファーストキスも済ませてますね僕。
接吻は唇にあたる柔らかい感触にめちゃくちゃ興奮したのを覚えている(ぶっちゃけチンコ舐められるりドキドキした)。興奮はしたのだがいきなりしたとか入れたり入れられたりしてもどう動かせばいいかわからねえよ。童貞舐めるな。
金を払ってセックスできなかった話
まあ、女体を好き勝手触ったり舐めたり吸ったり擦りつけたりしたわけなんですよ。途中舐めたおっぱいが僕の唾液が乾いて臭いなとか思ったりした。わびさびですね。
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しかしながらエレクチオンしないわけである。さすがに焦る。焦るというか若干理性はあきらめモード。「あなたの今後の活躍に期待します」みたいな。
しゃーねーじゃん原因わからねえし。
というあたりで時間がきて無情にもタイマーのぴぴぴ♪といおとがさほど広くない部屋に鳴り響いた。
金を払ってセックスできなかった話
「からだ流さないと時間になっちゃう」と若干困り顔で嬢に言われ不完全燃焼でどんな顔していいかわからないままシャワーで汗を流され着替えさせられ嬢が着替えているのを煙草を吸いながら眺めていた。
この時彼女が髪を結わえるため持ち上げたときうなぎがあらわになった時、「今日一番エロいな」と思った。
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さすがに終わるとしわじわとショックが心をむしばむわけである。「勃起しなかった」という事実が。
嬢の方も気を使ってくれたのか「緊張しちゃっただけだから」といった感じで励ましてくれた(?)。
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店の出口まで嬢に送っていただき店を後にする。人通りにない通りが今は助かった。
そのままとぼとぼと歩いて電車に乗り家に帰った。
「うそやろ。俺3次元に興奮しないの?いやそういやオナニーの時も大体2次元だった。仮にそうだとしたら生き物として間違えてない?」とか考えていた。
金を払ってセックスできなかった話
とはいえいろいろ舐めたり加えてもらったりぬるぬるしてもらったのは気持ちよかった。
射精していないので思い返すとムラムラする。
なんで家に帰って即効でxVIDEOでAVを見てみた。
普通に勃起した。
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「いみわからん」賢者モードで落ち着いた後つぶやいた。
ショックというかまじめに混乱していた。
「えー?」みたいな。自分の肉体体に裏切られた気分。少年漫画でありそう。
金を払ってセックスできなかった話
俺が心に傷を負っても日常は進む。
何食わぬ顔して大学に行きだらだらと過ごしていろいろあって今に至る。
その後機会があり学生時代にお年玉を握りしめ何回か風俗に行く。自分がEDじゃないことを確認するために
金を払ってセックスできなかった話
まあ結果から言うと大体勃起しなかった。半勃起くらいはした。
「また立たなかったら・・・」みたいな不安が悪影響だったのかもしれない。
というわけで学生時代は「俺は現実の女で興奮できないだな」と思って生活していた。まあ彼女もできなかったから困ることはなかった。
金を払ってセックスできなかった話
自己分析をすると大体風俗に行こうと思うときは日常から離れた。ある意味理性のロックが外れた状態なわけである風俗情報サイトみて予約の電話入れているときが性欲のピークであり、そのあとは実際の移動なり身だしなみなり相手とのコミュニケーションなりで理性が戻ってしまうため勃起しないわけである。
金を払ってセックスできなかった話
「現実の女性で勃起しない」という悩みは社会人になりストレスがあまりにマッハだった時期にデリヘルに行って解消されることになる・・・
金を払ってセックスできなかった話
終わり